100年人生|会社任せではなく自分でライフ・マネーをプランする

2017年7月22号の週刊東洋経済に、「100年人生のマネープラン」と興味深い内容の記事が掲載されていました。

9月11日には、「人生100年時代構想会議」なるものが、安部首相のもと開催され、100年生きるということが身近な現実のものとして議論されるようになってきました。

老後の生活設計が不確実で難しいのは

何歳まで生きられるか?
公的年金はいくらもらえるか?

が分からないからです。

公的年金がいくらもらえるかは、年金定期便である程度分かるようになっているはずなのですが、国の試算が甘すぎる失敗が続いているので、想定以上の少子高齢化の進展により、今、年金定期便に表示されているより、少なくしか貰えないのでは?と大半の人が政府を信じていません。

更に日本の平均寿命は伸び続けているので、100年人生のマネープランと言っても決して大げさではなく、老後35年をどのように過ごしていくのかを真剣に考えなければならない時代が近づいているのは確実です。

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1. 100年人生のライフシフト

英ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン氏が推奨する人生100年時代のライフシフトが注目を浴びています。

今現在の日本人の半数はすでに87歳(男性84歳、女性90歳)まで生きる時代になっています。

2007年生まれの日本人の半数は107歳まで生きられると予測されています。

私の小学生と保育園児の息子も、107歳まで生きるかもしれないということです。

身近に107歳まで生きた親戚がいないので、さすがに本当か?という感じですが…

20代で就職し、60代で引退するという従来型のモデルが人生100年時代には大きく変わることになります。

2017年7月22号の週刊東洋経済には、5分でわかるライフ・シフトとして、これからの人生は複数のステージを転々としていくマルチステージな人生になっていくとしています。

①教育→仕事→引退

現在の日本の社会システムでは、新卒者を一括採用して、定年は60歳、65歳までの再雇用を経て引退、後は年金生活という、画一的な制度になっています。

しかしながら、100歳まで生きる時代になると、65歳以降の引退生活が35年となり、その間年金をもらい続けて、若者に支えられるというシステムではもう限界に到達しています。

政府は定年を更に延長したり、年金受給開始年齢を遅らせたりといろいろな検討を行っていますが、ちょっとした制度を変えるだけでは、もう限界に近づいていると言えるでしょう。

②マルチステージの人生

人生100年時代には、生涯で複数のキャリアを持つマルチステージの人生になります。

新しいステージとは、下記の3つとなるそうです。

  • エクスプローラ
    (日常生活から離れ、旅したり新しい人に出会ったりして既存の価値観を壊し、自分を再発見する)
  • ポートフォリオ・ワーカー
    (企業勤務、副業、NPOなど異なる種類の活動を同時に行う時期)
  • インディペンデント・プロデューサー
    (組織に雇われず独立した立場で生産的な活動に携わる時期)

一目見ると、自分探しの20代、企業勤務・副業の30代~50代、起業を考える60代のように見えますが、そうではありません。

このエクスプローラ、ポートフォリオ・ワーカー、インディペンデント・プロデューサーは生涯の中でステージを自由に移行していくことを意味しています。

40代半ばや70才~80才でエクスプローラの自分探しを行うことを想定しているのです。

私のような40代以降の世代は、「自分探し」をしているとどちらかというとネガティブな見られ方をしました。

私自身、ワーキングホリデーで20代後半に数カ月海外をぶらぶらしていた時に、親も含めて「大丈夫か?」という目で見られました。

日本は、海外から戻ってきた時の再就職が厳しいなど、いろいろ途中で人と違ったことをすると困難が待ち受けているので、当たり前の反応だったとは思いますが…

ワーホリの経験は、自分にとってはかけがいのない、「生きる」ということの原点を教えてくれた気がしています。

今後のライフ・シフトでは、「エクスプローラー」として、この自分探しも肯定され、その後の再就職なども、現状よりももっと自由にできるようになる時代がくるといいなーと思います。

2. マルチステージの人生に必要なもの

新卒採用で一企業に勤める、もしくは転職しても2~3回くらい、サラリーマンとしての雇われ人生を送る私達にとっては、なかなかピンとこないマルチステージの人生。

会社に入りさえすれば、ある程度先が見通せる人生と異なり、自分で自分の人生を設計する必要があります。

「ライフ・シフト」の中では、このようなステージ間の移行に重要となる4つの要素を紹介しています。

①アイデンティティ

人生が長くなり、多くのステージへの移行を経験する時代には、人生全体を貫く要素が何かを意識的に問う必要が生じます。

現在は、良い大学を卒業して大企業に就職できれば、その後はOJTを通じて会社での技能を身につけ、その後は毎日の仕事にまい進していれば、定年を迎えることができる人も多いと思います。

今後は、自分で人生を設計していくことが重要になってきます。

②無形資産

長く生産的な人生を送るには、金銭的資産に加え、金銭に換算できない「無形資産」の充実がキーとなります。

スキル、知識、仲間や人的ネットワーク、バランスのとれた生活、家族との関係、健康などを自分で意識的に構築していく必要があります。

③リ・クリエーション(再創造)

余暇時間には、レクリエーション(娯楽)ではなく、無形資産に時間を投資し、自己のリ・クリエーション(再創造)を行うようになってきます。

能動的に自分の人生を生きていく、、活力のある人には魅力的ですが、何となくゆったり流れに身を任せて生きていきたい人にはかなりの意識改革が必要となってきます。

④夫婦の役割分担

夫婦共働きが増え、いずれかが新しいステージに移行する際、互いの役割を調整し、サポートし合うようになってきます。

現在は、イクメンが増えてきたものの、やはり育児休暇や時短勤務は女性が主となっています。これも今後は変わっていくでしょう。

3. 人生100年時代のマネープラン

自分の親世代までは60歳で定年退職して、人によっては65歳まで嘱託として働き続け、老後として約20年を想定しておけば、年金水準も高かったので暮らしていけました。

親世代の老後は約20年

しかしながら、人生100年時代となると、65歳で定年退職しても、残り35年もの老後が待っているのです。

22歳から働き始めて43年間働く期間と老後の35年が同じくらいになってしまうため、このままでは、老後資金を貯める期間と、貯金を取り崩す期間のバランスが現状からは大きく崩れてきます。

100年時代の老後は約35年

公的年金は残念ながら相互扶助方式なので、少子化が進行している現在、今の水準より下がることが確実となっています。そうなると、自分でどうにか貯蓄をしていかなければ、ゆとりのある老後を過ごすことが難しくなっています。

人生100年時代に備えるには、できる限り下記のような自助努力をする必要がありそうです。

  • できる限り共働きをする
    →妻の所得が増える他、妻の退職金・公的年金があてにできるのが大きい
  • 長く働くための、自分の技能・強みを作っていく
    →技術革新のスピードが速いので、就職した会社が43年存続する保証はなし
  • 副業で定年後も収入を得られるようにしておく
  • 教育費をかけてよい上限を決める
    →無制限に習い事をさせたり、私立へ進学させるのではなく、計画的にメリハリをつける
  • 老後資金の運用期間が長くなるので、投資を勉強し、有利に資金を増やせるようにする
  • 節税効果を有効活用し、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAで自己年金を構築する
  • 健康寿命を長くする努力をする

老後の心配ばかりをして、現役世代を楽しみ切れないのも嫌ですが、親世代より資金的には厳しい老後が待っていることは確実なので、できることが今のうちから備えたいと思っています。