従業員持株会のインサイダー取引に関する注意点

住宅ローンが終わって、何か運用しようといろいろ安全資産を調べるも、安全に金利を稼げるような金融商品は全く見つかりません。

リスク覚悟で投資信託積立も始めましたが、それならば持株会奨励金がもらえる従業員持株会も運用対象としてはいいのではないか?と考え、40代に突入して、後れ馳せながら従業員持株会の積立を開始しました。

1. 従業員持株会 購入時のインサイダー取引は適用除外

従業員持株会を始めた一つの理由として、

従業員持株会の買い付けはインサイダー取引の対象外

ということでした。

「インサイダー取引」とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社の株券等を売買する行為のことです。

インサイダー取引が行われると、そうした情報を知らされていない一般投資家は、不利な立場で取引を行うこととなり、また、不測の損害を被るおそれもあり、ひいては証券市場に対する投資者の信頼を失うことにもなりかねません。

私は上場会社の従業員なので「上場会社の関係者」にあたるのですが、従業員持株会の買い付けについてはインサイダー取引の対象外となっているので、気楽に自社株買いができるのです。

日本取引所グループ:インサイダー取引のFAQ

インサイダー取引 | 日本取引所グループ
日本取引所グループは、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所等を運営する取引所グループです。
  • 従業員持株会の買い付け 一定の計画に従い毎月行う定時定額の買付け(各役員・従業員の1回あたりの拠出額が100万円未満)は、インサイダー取引規制の適用除外です。したがって、このような自社の株式の買付けであれば、未公表の重要事実を知っていても可能であり、インサイダー取引規制違反に問われることはありません。

自分の会社を投資対象として考えた場合、普通に市場から購入するより、従業員持株会を利用した方が下記のようなメリットがあるため、私は従業員持株会を利用しています。

  • 持株奨励金が5%もらえる(会社によって制度が異なる)
  • 従業員持株会の買い付けはインサイダー取引の対象外
  • ドルコスト平均法により、購入単価を平準化できる(極端な高値つかみをしない)
  • 給料からの自動天引きなのでお金が貯まりやすい

もちろん、株式相場感に自信がある場合は、購入タイミングを自分でコントロールできる普通に証券市場で購入する方が良いですが、私のように狙っていた株式が「下がってきたから買う」と、どん底までまだまだ下がる、さらに下がったから「ナンピン買い」をしたら更に下がるというような、株式取引に自信がない場合、5%などのお得が予め付加されている従業員持株会の方が、収益を上げられる可能性は高いと思っています。

2. 従業員持株会 売却時はインサイダー取引の適用に!

購入時にインサイダー取引を気にしなくてよかったのですが、売却時は違います。

持株会株式の売却はインサイダー取引の対象

持株会の購入は月に10,000円など決まったパターンで積み立てていくため、インサイダー取引の対象外となっているようですが、売却は個人ごとに市況のタイミングを見計らって売ることができるからでしょうか・・・・

株価に関わる重要な情報などを知り得るような重要なポジションにいる訳ではないのですが、従業員である以上はインサイダー取引に注意しなければならないので売却タイミングについて、注意する必要があります。

日本取引所グループ:インサイダー取引のFAQ

インサイダー取引 | 日本取引所グループ
日本取引所グループは、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所等を運営する取引所グループです。

気を付ける点を抜粋してみると、下記のようになっています。

  • 従業員持株会株式の売却 持株会から引き出した株式の売付けは、インサイダー取引規制の適用除外とはされていないため、通常の自社株式の売却と同様の注意を払う必要がある

では、どのような注意を払う必要があるのでしょうか?自社の株式の売買を適切に行い、インサイダー取引の疑いをもたれないようにするためには、以下の点に留意することが有用であると考えられます。

  • 未公表の重要事実を知っているか、知っている場合は、当該重要事実の公表後に売買を行う。
  • 知っている情報が未公表の重要事実か判断が難しい場合は、自社の株式の売買を管理する部署などに確認・照会する。
  • 自社の株式の売買に関する社内ルールがある場合は、必ず社内ルールに従い、必要であれば所定の手続きをとってから売買を行う。

 

法令上は、決算発表の直前・直後に自社の株式などの売買を行ってはならないとのルールはないため、当該上場会社の未公表の重要事実を知らなければ当該上場会社の株式の売買は禁止されていないようです。

しかしながら、私の会社においては、決算発表の直前・直後では自社株式などの売買を行ってはならないというルールがあるため、市場で売却できるタイミングは四半期決算前後を除いた期間となります。

できるだけ、市場の動きで有利な時に売却したいので、単元株になった段階ですぐに証券会社に自社株を移しておく予定です。

比較的配当性向の高い株式なので、持ち続けるという選択肢にも惹かれますが、雇用と財産を同じ会社に託すのも不安なので、利益が出たらやはり売却すると思います。

3. インサイダー取引の罰則

インサイダー取引を行うと、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金(または併科)が課されるとともに、インサイダー取引によって得た財産は没収されます。

それだけでなく、ニュースなどで話題になっているように、会社を懲戒免職・懲戒解雇されるケースもあるようなので、インサイダー取引と認定されると大変なことになりそう…

ようやく従業員持株会が単元株になりましたので、インサイダー取引に認定されないよう、会社の規定などを確認して、慎重に売却したいと思います。

売却するために、持株会の口座から証券会社の口座に株式を移す手続きにどれくらいの期間がかかったのか?については、下記記事をご参照ください。

 

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