株価が乱高下している、日本アジアグループ(JAG)。
長らく200円~300円台で推移していた株価が、突如、高値の1,300円までつり上がって、また下落してと、乱高下しています。
この会社を巡って、まるでドラマの「ハゲタカ」のような激しい応酬が繰り広げられています。
私はなぜかこの会社の株を100株保有しています。
全然買った記憶はないのですが、まだ米国株を始める前に、「あるじゃん」や「ZAi」などを熟読していた時に、恐らく「これから伸びる環境関連株」などの見出しに惹かれ、最小単元を購入したのかなぁ…
そして長い間、含み損になっていたので、塩漬けにしていた株です。
1. 日本アジアグループ(3751)はどんな会社?
地球規模でグリーン・コミュニティの創造を目指している会社です。
SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)を事業の中核に据えていることからも分かるように、今後の成長が期待される事業を担っています。
日本アジアグループは主に、下記3つの事業を行っています。
- 空間情報事業
- グリーン・エネルギー事業
- 森林活性化事業
2. 特別配当金
そんな会社が突然、1株あたり300円の特別配当をするというのです。
今日の終値が946円なので、配当利回りは31%超えの超高配当です。
実績BPS(1株あたり純資産)が約420円なので、1株あたり300円の特別配当のインパクトがすごいことになっているのはご理解いただけるかと思います。
3. 今までの経緯
日本アジアグループ(カーライル・グループのグリーン ホールディングス エルピーの資金サポート) vs 旧村上ファンド系投資会社(シティインデックスイレブンス)の構図により、株価が異常に引き上げられているのです。
私は、基本的に保有している株式に関する連絡は、配当金の金額は見るものの、招集通知などはあまり真剣に読んだことはありません。
異変を感じたのは、日本アジアグループから、やたらとパワポで作られた資料が同封された郵便物が送られてくるようになったのです。
内容は、「旧村上ファンド系投資会社のTOBには応じないように。」というような内容だったと思います。
では、このハゲタカ並みの熾烈な戦いを時系列でみていきましょう。
- 日本アジアグループ:「カーライルを出資者として1株あたり600円でMBO」(2020/11/5)
- 旧村上ファンド系:「600円は不当に安い、こちらは40%のプレミアを付けて1株あたり840円出すよ~のTOB」(2021/01/15)
- 日本アジアグループ:「それじゃ、1株あたり1,200円でMBO」(2021/01/26)
- 旧村上ファンド系:「それなら、1株あたり1,210円でTOB」(2021/02/05)
- 日本アジアグループ:「MBOの株式が買付予定数の下限まで集まらなかったので、このMBOは中止」(2021/02/10)
- 日本アジアグループ:「300円の特別配当(3/18が基準日)を株主に支払う(会社の純資産少なくなるから、TOBしても意味ないよー)」(2021/03/01)
- 旧村上ファンド系:「TOB撤回」(2021/03/03)
- 旧村上ファンド系:「特別配当金300円を引いた、1株あたり910円でTOB」(2021/03/17)
- 日本アジアグループ:「勝手に買い増ししてるから(25.87%)、行使条件の異なる新株予約権を割り当てて、防衛するよー」(2021/03/22)
- 旧村上ファンド系:「経営者による勝手な保身を東京地裁に止めてもらおう」(2021/03/25)
- 東京地裁:「新株予約権の無償割り当てを仮に差し止める」(2021/04/02)
- 日本アジアグループ:「東京高裁に不服を申し立てる(保全抗告)」(2021/04/08)
- 東京高裁:「日本アジアグループの保全抗告を棄却する」(2021/04/23)
- 旧村上ファンド系:「TOB価格を1株あたり910円から960円に引き上げ、TOB期限を6/29までに延長」(2021/6/15)
書いていても手が痛くなるようなぐらいの、攻防戦が繰り広げられています。
最後は裁判所まで巻き込んでいますね…
4. 今回の特別配当はクラウンジュエル
日本アジアグループが1株あたり600円でMBOをしたことを発端に、それが安すぎると旧村上ファンド系投資会社が日本アジアグループに対してTOB(株式公開買い付け)を実施していました。
日本アジアグループは、旧村上ファンド系のTOBに対して「クラウンジュエル」と呼ばれる買収防衛策で対抗したのです。
クラウンジュエルは、英語では「Crown Jewel Defense」と呼ばれます。
「王冠を盗まれないために埋め込まれている宝石を取り外す」という意味です。
方法は自社が保有する価値のある事業や財産を第三者に譲渡したり分社化することにより、自社の価値をあえて引き下げ、買収意欲を削ぐことを目的としています。
今回の場合は、純資産のかなりの比率を占めるお金を、特別配当という形で株主に支払うことによって、日本アジアグループの純資産価値を低くする という作戦だったようです。
5. 臨時株主総会で特別配当は可決されるのか?
両者の戦いは、熾烈な戦いになっていて、それぞれ長いPDF文書で主張をぶつけあっているので、どちらの主張が正しいのかは、素人の私にはよく分かりません。
日本アジアグループ側が主張するパワーポイント文書が株主の私には送られてくるので、どちらかというと、旧村上ファンド系投資会社が、お金に目がくらみ、会社の将来性などを考えてない というような印象を受けがちになります。
しかしながら、初めは1株あたり600円でMBOをしようとしていた日本アジアグループ。
旧村上ファンド系投資会社が出現してから、突如、MBOの価格を1,200円と倍に吊り上げたのを見ると、「それなら、最初から1,200円でMBOしてよ。」と疑心暗鬼になってしまいます。
「もの言う株主」として一時期かなり注目された村上ファンド。
お金目当てなのかもしれませんが、今回の日本アジアグループの件も、経営者 vs 無知な株主に一石を投じて、株価をあげてくれたので、私にとってはありがたいです。
2021年4月28日(水)の午前10時から、臨時株主総会が招集され、この特別配当の件が決議されます。
私は予め、「賛成」を投票しておきましたが、可決されるか、否か。
旧村上ファンド系投資会社側は、特別配当を実施する議案には賛成する方針だと、3/17付では公表していたような気がしますが、その後もいろいろな攻防があったので、最新の状況はよく分かりません…
私の日本アジアグループの持ち株はたったの100株の時価:94,600円。
取得原価は42,400円なので、もし30,000円の特別配当が貰えたら、配当回収率 70%超えの無双の株式になりますね。
旧村上ファンド系が手を引いたら、株価が暴落するリスクがあるので、含み益のうちに特別配当を貰って売却するというのが、ベストな選択のような気がします。
これがもし1万株(424万円分)取得していて、含み益が522万円、特別配当が300万円貰えるのだったら、特別配当が可決したら、売るのでしょうが、投資額 4万円で結構楽しませてくれているので、しばらく持ち続けるつもりでいます。
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