『配当金で元を取る』の厳しい現実

日本株・米国株で高配当株を中心に投資をしています。

日本株は大学在籍時代からなので、かれこれ30年くらいの歴史を持ちますが、米国株を始めたのは2018年の途中からなので、まだ3年半ぐらいの歴史となります。

高配当株投資を行う人の夢は、『投資元本を配当金で全額回収して、リスクフリーで運用』という状態に持ち込むことでしょう。

100万円投資したうち、税引後配当金で累計 100万円受け取ってしまえば、もうその元本はゼロになっても損をしない という無敵の状態になります。(同じ銘柄に再投資はしないという前提)

1. 米国株投資3年半の回収率

3年半の米国株投資の期間、少しずつ欲しい銘柄を気まぐれに買い漁った結果、現在約50銘柄の米国株に投資しています。

2021年度末時点の、投資元本回収率は、10.1%となりました。

<計算方法>
投資元本:年末の投資元本(取得原価)
配当金受取累計:その年までに受け取った配当金の累計
投資元本回収率:配当金受取累計÷投資元本×100%

配当金の中には売却済みの銘柄分も含まれていますが、投資元本には売却済みのものは含まれていません。分母と分子の整合が取れていないようにも見えますが、売却金額はまた再投資され、投資元本に含まれているため、ざっくりということで。

10%に到達するのに3年半かかるということは、これを100%に到達させるには35年かかるというイメージになりますね…

税引後配当利回りが3%だとすると33年かかることになるので(増配を無視すると)、まぁこんなものかもしれません。

2. 銘柄別回収率

2021年年末時点での銘柄別回収率を見ていきます。50銘柄を表示すると大変なので、投資元本上位10銘柄に絞ってご紹介します。

全銘柄では10.1%だった投資回収率ですが、銘柄別だとバラつきがあるのが分かります。

VIG(米国増配株ETF)は1%と低いですが、これはVIGへの投資を始めたのが2020年の途中からだったので、期間が短いことによります。

ARCC(エイリスキャピタル)も、2020年のコロナショックの時に購入した銘柄なので期間が短いのですが、こちらは利回り10%超えの時に購入したため、期間は短くても回収率は高くなっています。

高配当投資を始めた最初の頃は、高配当に惹かれて銘柄選定をし、そして株価が下がるたびにナンピンを繰り返してしまった結果、上記10銘柄中、KHC(クラフトハインツ)HSBCホールディングスはすでに減配し、T(AT&T)もメディア事業をスピンオフ後の減配が発表されているという悲惨な状況です。

PFF(優先株式ETF)も、分配金は右肩下がり。

かろうじて増配を続けている個別株、MO(アルトリアグループ)、MMM(3M)ですが、この2銘柄は株価が冴えず、現在は含み損と含み益を行ったりきたりという状況です。

なかなか、連続増配する高配当企業に投資し、投資元本を回収するまで保有するというのは考えるより難しそうです。

3. 配当で元を取る(投資元本を回収する)の難しさ

まだ投資期間が3年半と短いので、見応えがあるグラフにはなりませんでした。

投資回収率が50%を超える銘柄が続出すると、見ているのが楽しいグラフになりそうですが、その領域に到達するにはまだまだ時間がかかりそうです。

高配当に目がくらんだ銘柄は、業績が伴わず減配。(そもそも株価が上がらないから高配当)

また、ADR銘柄は、本国で上場廃止されていなくても、NY市場でADR銘柄としての上場が廃止されて、無理矢理、選べないタイミングで現金化されてしまうこともあり、30年に渡って同じ銘柄に投資し続けることの難しさを感じています。

個別銘柄が難しければ、ETFというのが有力な選択肢となりますが、高配当のETFであるVYMは分配利回りが2.76%と少し物足りないし、SPYDは分配利回りが3.59%と高いものの、昨年12月の分配金が異様に低かったりと、不安定な感じがします。

実は私が保有している銘柄の中で、「配当金生活」に理想的な銘柄は皮肉にも低配当銘柄のAAPL(アップル)になりそうな予感。

↓配当管理というソフトで見たAAPL銘柄ですが、現状の配当利回り(現在の株価に対する)は0.51%であるのに対し、取得原価ベースで計算した配当利回りは2.38%となっています。

アップルは人気株なので、株価も右肩上がりに上昇するので、増配してくれても株価も上昇するので利回りはいつも低く抑えられています。

しかしながら、アップルショックのように株価が安い時にうまく購入することができれば、その後は増配を繰り返してくれるので、気づいたら高配当に近づいているというありがたい状況です。

ただ、残念なのは、私の投資スタイルはナンピン買いなので、株価が取得原価より上昇した個別株についてはなかなか買い増しをしないので、このような右肩上がりの株に対する投資は抑えられ、逆にAT&T、MO、MMMのように株価が低迷する株式を買い増ししてしまうことです。

このナンピン買いスタイルを改めないと、AAPLのような右肩上がりの優良銘柄にある程度の規模の投資をすることは難しいのですが、どうしてもアンカー効果というか、自分が一旦購入した取得原価よりも低く買わないと気が済まないという 困った性格…

私の寿命が尽きるのが早いか、配当金で元を取るのが早いかの競争になりそうですが、老後資金を米国株・日本株の配当で豊かにするとともに、今後ますます負担が大きくなっていく子ども達に少しは残せるといいなーと思います。

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