経済的自立ができる前に早期退職してしまった

最近、日本でもFIRE(経済的に自立して早期退職)の記事やニュースを見ることが増えてきました。

40代・50代で会社から早期退職を迫られた人や、子どもの教育費の目処がついた人がアーリーリタイアするだけでなく、最近のFIREの特徴として、20代・30代の若手でFIREする方々が出ていることには驚きです。

最初にこの20代・30代の若手の早期退職を見た時には、「資金大丈夫?」と余計な心配をしてしまいましたが、大企業でバリバリ働いて驚異的な節約で多額の投資した方はもちろんのこと、1,000万円など貯金は多くないものの、FIREして田舎でコストのかからない暮らしをしている方、十人十色なFIREがあるようです。

それだけ、色々な生き方の選択肢があるというのは素敵ですね。

1. 経済的自立(FI)前に仕事を辞めてしまった

40代に入り「南の島でゆっくり過ごしたい」と米国株投資や早期退職を考え始め、このブログを開設したのが2015年。

本来なら、投資をもう少し続け、あと5年ぐらいで早期退職しようと目論んでいましたが、体調不良で半年前に退職してしまいました。

勤務先の業績もよくなかったので、そろそろ「早期退職プログラムがあるのでは?」という噂もあったので、もし募集が開始されたら、すぐに手を挙げて、割増退職金を貰ってと、取らぬ狸の皮算用をしていましたが、早期退職プログラムを待てずに退職してしまいました。

金銭的には、子ども達もまだお金のかかる小学生2人なので、フルタイム復帰するのがよいのでしょうが、アラフィフ持病持ちで正社員は、やっていく自信もなければ、新たに雇ってくれる会社もない気がします。

お金の目処がついてFIREするのと、ただ単に中途退社してしまう のでは気分が全然違います。

やはり、FIREの本質は、FI(経済的自立)なのですよね…

2. FIRE流行の背景

私が早期退職を目指し始めた数年前には、まだ日本ではFIREという言葉は流行していませんでした。

ただ、ここまでFIREが流行している背景を考えると、これからしばらく増えていくような気がします。

①「働くこと=嫌なこと」になっている

昭和時代は会社もすごい勢いで成長し、給料も右肩上がりで、「24時間働けますか。」というCMは今から考えると超絶ブラックですが、何か勢いと夢があった気がします。

昭和の時代も、令和の現代も、サラリーマンというのは上の方針に翻弄されて、自分の裁量が限られている、思い通りにいかない というのは共通していると思いますが、時代とともに日本企業で働く閉塞感が増しているような気がします。

なかなか好きを仕事にするのは難しいので、「働くこと=嫌なこと」になってしまうのは仕方のないこと。

ただ、それにも程度差があって、「激務でもう体がもたない」というものから、「嫌な上司・同僚がいる」、「週5で拘束される生活が嫌」というレベルまで、様々でしょう。

FIREすることを目指す方は、全く働きたくない方もいらっしゃると思いますが、経済的に自立して、自分の好きな働き方・生き方をしたい という方も多いようです。

経済的自立をしてしまえば、たとえ同じ会社を続けるとしても、社畜マインドになる必要がなく、心理的に会社と対等にいられるという、精神的安定感ももたらしてくれそうです。

②一度きりの人生、好きに生きたい

20代の時の海外旅行、60代の海外旅行、同じお金をかけても、感じ方や生き方への影響は全然違うでしょう。

定年退職して、いくらお金に余裕があっても、旅行を楽しめる健康状態や気力があるかは定かではありません。

そう考えると、100点の資金を準備できなくても、ある程度、貯金・投資資金が貯まった時点で、FIREして、好きに生きたいですよね~

③終身雇用の崩壊

日本の伝統的な雇用環境として終身雇用制度があり、年齢が上がれば給料も上がり、会社が従業員を一から教育して、お金がかかる中年期や老年期には多くの給料を与え、家族手当などを支給してくれていました。

これが「働かないおじさん」を産み、若手の労働意欲を削ぐという原因にもなりますが、逆に「あんなに働かなくてもクビにならないんだ…」という不思議な安心感もありました。

特に大企業に勤めていると、恵まれた給料・ボーナスを貰っているので、この待遇を手放して退職するにはかなりの思い切りが必要です。

私も体調を崩さなければ、結局定年まで働いていたかもです。(早期退職制度の募集が始まったら、退職してたとは思いますが…)

一方、経済界でもトヨタ自動車の豊田社長が「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言したり、サントリーの新浪社長が「45歳定年制を敷いて、会社に頼らない姿勢が必要だ」と発言して、物議を醸しだしています。

たくさん勉強して超一流企業に入社できても、「定年まで守ってもらえない」となると、もはや入社時から、自分の人生・キャリア・お金を自律的にコントロールしていく必要があります。

人生の早い時点で、経済的自立を手に入れて、後は会社に依存せずに、自分の好きに生きていく、こんなFIREができたら、そのまま会社勤めしてもいいし、起業してもいいし、海外生活してもいいし、自分で自分の人生の選択権を持つことができて、それは素晴らしいことだと思います。

④情報が簡単に手に入る

昭和時代の高度成長期サラリーマンだった父は、麻雀とゴルフが大好き。携帯電話がない時代、「遅くなる」コールもしないまま、徹夜マージャンで朝帰りしていた父。

よく、「会社に行こうとすると、逆方向の電車に乗りたくなるんだよね…」と言っており、仕事より遊びが大好きな人でした。

そんな父でしたが、新卒入社した会社で60歳定年してからも再雇用され、63歳ぐらいまで1つの会社で働き続けることができました。

昔から、仕事が嫌だ~ というのは程度の差こそあれ、あったと思うのですが、現代はFIREというのが現実的な選択肢としてロールモデルが増えてきて、その情報をリアルタイムでネットなどで知ることができるようになったというのが、FIREを目指す人が加速度的に増えている一因だと思います。

⑤サブスクリプションやオンラインゲームなど、低コストで楽しめる

現代では、Amazon Primeの料金を支払っておけば、色々な番組を見放題なので、FIREした自由時間を持て余すことなく、かなり暇をつぶせるでしょう。

また、オンラインゲームで無料で楽しめるものも多いです。課金したい衝動を抑えるのが、ちょっと難しい場合もありますが…

牛丼、ラーメン屋、うどんなど、低コストで楽しめる外食や、冷凍パスタや冷凍チャーハンなど、料理ができなくても低コストで外食・中食をすることができます。もちろん、業務用スーパーや見切り品などうまく利用すれば、安く自炊することもできます。

ニューヨークである程度の生活しようとすると、年収がx,xxxx万円あっても厳しいというようなニュースを見たりしますが、デフレが続く日本では、安く生活しようと思えば、かなり生活コストを抑えて生活することもできます。

3. このまま再就職せずに、セミリタイアしたい

FIRE流行は、このように時代背景からの必然かなぁと思います。

FIREを実現している人のブログや記事を読むと、皆さん、満足した生活を送っていらっしゃる方が多いと感じます。

何よりも、自分の人生を自分で選択して、生き方を自由に決められる という状況が満足を生み出している気がします。

私は、途中脱落してしまった早期退職者なので、安定したサラリーマンという地位を放棄した後悔や将来への不安 という後ろ向きな「セミリタイア中」です。

が、このまま後ろ向きなセミリタイアではもったいないので、病気はただのキッカケだと思うことにして、自分でこの後の人生を考えていきたいと思います。

このゆったりした時間の流れは気に入っているので、理想的にはもう少し、配当収入やFX収入を増やし、足りない分をブログなどで稼げるようになるといいなーと思います。

ブログで稼ぐというのは、なかなか難しいと思うので、体調が回復してきたら、少しアルバイトを始めるのもよいかなーと思っています。

コメント

  1. たぬー より:

    体調悪化によるFIREだそうですが、とりあえず、おめでとうございます。
    私も2022年3月末でFIREでなく転職するつもりです。コロナで投資を始め、資産と配当を大きく増やしましたが配偶者が転職に大反対です(でも、限界なので早期退職しちゃいますが。特に配当は、あすいずさんより多いので、すぐに経済状態が悪化しないと説明しているのですが・・)   あずいずさんのような女性がもっとFIREなり転職なり資産運用の情報をもっと発信して有名になって欲しいですね。資産運用は悪、博打だと思っている日本人が多いのに辟易しています。
    転職といっても2年は職業訓練を受けてからと考えています。働く気もあるんですけどねえ。男性はATMではないのですが・・・

    • あずいず より:

      たぬー様
      コメントありがとうございます!
      私のは、FIRE失敗で、ただの早期退職になってしまいました(笑)
      たぬーさんは、コロナで投資を始めたにもかかわらず、配当が多いようで羨ましいです。
      配偶者の理解というのは、なかなか難しそうですが、一度きりの人生、お互いに悔いのないように生きたいですね。

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